【弁護士が解説】弁護士が会費を滞納するとどうなる?懲戒処分の基準と影響

弁護士が、弁護士会費を滞納した場合にはどのような処分となるのでしょうか。

1 会費の種類

弁護士が徴収されている会費には、自身が所属する単位会の会費と日弁連の会費の両方が含まれています。
引き落としは両方をまとめて行われるので、普段支払いをしている際には意識しませんが、会費の滞納が生じると、単位会の会費と日弁連の会費の両方滞納していることになります。

2 会費支払い義務

日弁連の会則95条では、「弁護士である会員は、本会の会費として月額1万200円を、所属会を経て、本会に納めなければならない。」
としています。ただし、修習後2年間についてはこれが月額5100円(半額です)に据え置かれています。
この会費の支払いは、会則上の義務ですので、会費を支払わないことは会則違反に該当します。

3 懲戒

会則違反は、それ自体当然懲戒の対象となる事項です。

ただ、日弁連では会費滞納についてさらに条文を定めています。
会則97条は「弁護士である会員が6か月以上本会の会費又は特別会費を滞納した時は、所属弁護士会の同意を得て、法60条に規定するところにより懲戒することができる。」としています。

つまり、懲戒の対象としているのは6か月以上の会費滞納に限った運用とすることとしていることがうかがわれます。
法60条は、弁護士法60条を指し、日弁連自体が懲戒をする手続きです。つまり、会則97条に該当すると、日弁連自身が手続き機関として懲戒をすることになります。

しかし、先ほども述べた通り、普段支払う会費には単位会の会費と日弁連の会費の両方が含まれています。そのため、日弁連の会費を滞納している状況では、通常単位会の会費も滞納している状態になっているはずです。

それでは、単位会の方ではどのようになっているのでしょうか。

単位会については、それぞれの会によって会則が異なり、すべての会で同じような内容が定められているとは限りません。
ただ、おそらくほとんどの単位会では、日弁連会則と同じ内容、つまり6か月以上の滞納から懲戒となる旨が記載されていると思われます。
そのため、6か月会費を滞納すると、いずれにしても懲戒処分の可能性が高まるということになります。

4 実際の処分

それでは、会費滞納をするとどのくらいの処分となるのでしょうか。
まず、前提として会費滞納の日数が6か月を下回る場合、そもそも懲戒手続に乗らない可能性があります。ただ、細かい滞納を繰り返していると、それ自体も問題視される可能性があり、2か月や3か月の滞納で処分を受けている例も存在することに注意が必要です。

次に、6か月~1年程度の滞納の場合には、戒告処分が選択されているケースが多いようです。ただ、6か月でも業務停止となっている事案もあり、油断はできませんが、懲戒手続開始後に滞納分を支払ったかどうかは大きな考慮要素となっています。
1年~2年程度の滞納の場合には、業務停止処分が選択されているようです。
2年以上の滞納がある場合には、退会命令が出される傾向にあります。退会命令となると、現在所属している単位会からは退会しなければなりません。法律上は弁護士となる資格を失うわけではありませんので、ほかの単位会を経由して弁護士名簿に登録されれば弁護士として活動することはできますが、会費滞納による懲戒処分歴がある場合、滞納したままであればほかの単位会の所属することも困難であると思われますので、実際に弁護士として活動することは困難です。

いずれにしても、処分を軽減するためには、滞納分の会費を納めることに尽きます。できる限り多くの滞納を、速やかに解消するようにしましょう。

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