弁護士法違反

1 弁護士法違反

懲戒事由の1つ目は、弁護士法違反です。

この「弁護士法」は、弁護士法という法律の中に定められている、弁護士(弁護士法人)として遵守すべき義務に違反することを指しており、基本的には弁護士法20条から30条、73条が多くなっています。

2 具体例

「守秘義務違反」「利益相反」「非弁提携」については、別のページでご紹介しますが、その他にも以下のような場合が該当するとされています。

⑴複数事務所

弁護士法第20条3項は、(弁護士個人については)いかなる名義であっても2個以上の法律事務所を設けることはできないとしています。

このような規定が設けられた理由は、弁護士のいない事務所を作り、非弁の温床となること等を防ぐためであるとされています。

どのような場合に複数の事務所を設けたと判断されるかですが、①実際の執務の有無は別として、「法律事務所」の看板を出すなど、外見上複数の事務所があるような場合には、複数事務所であると判断されうるほか、②外見上法律事務所ではなくても、依頼者の出入りなどがあり、実質的に法律事務を行う場所が複数に渡るような場合も、複数事務所であると判断される可能性があります。

⑵汚職行為の禁止

弁護士は、受任している事件に関す、相手方から利益を受け、又はこれを要求し、もしくは約束してはならないとされています(弁護士法第26条)。

これは、職務の公正や誠実性の確保を目的としたものです。

「受任している事件」とは、現に受任している事件を指し、過去に受任した事件などは含みません。ただし、このような場合であっても、品位を失う行為であると指摘される可能性はあります。

また、ここでいう「相手方」とは、実質的に利害が対立する者を指すとされていますので、必ずしも訴訟の相手方(原告から見れば被告)に限定されるものではありません。

⑶係争権利の譲受

弁護士は係争権利を譲り受けることはできません(弁護士法第28条)。これは、弁護士が事件に介入して利益を上げるようなことがあると、職務の公正や品位を失うと考えられたからです。

「係争権利」の解釈については、係争の対象となった権利で、①現に訴訟や調停などの紛争処理機関に係属している事件に限定されるという考え方と②広く紛争中の権利一切であるという考え方に別れています。裁判例などは①の見解をとるものが多いとされています。

しかし、たとえ紛争処理機関に係属していなくとも、譲り受けた権利の内容や態様によっては、品位を失う行為として懲戒を受ける可能性があります。

また、「譲受」は、有償無償を問いません。

⑷依頼不承諾の通知

弁護士は、事件の依頼を承諾しないときは、依頼者に、すみやかにその旨を通知しなければならないとされています(弁護士法第29条)。

弁護士には事件の受任義務は原則ありません。なので、依頼を承諾しない場合には、依頼者が速やかに他の弁護士に依頼するなどの方法をとれるようにするため、このような規定が設けられています。

不承諾の通知の方法は、口頭、書面などいかなる方法でも構いませんが、弁護士が不承諾を決定したときから、できる限り早く通知をしなければならないとされています。

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