依頼者との金銭トラブル

(事例)

A弁護士はBさんから損害賠償請求の依頼を受け,相手方に対し民事訴訟を提起しました。

最終的には判決でBさんの主張がほぼ認められ,請求額の大半を回収することができました。訴訟も無事に終わったということで,A弁護士は委任契約に基づいた成功報酬の支払いをBさんに求めました。

ところが,Bさんは「全額が認められたわけでもないのに,報酬がこれだけ高くなるのはおかしい。事前の説明も受けていない」と言い出し,成功報酬の支払いを拒みました。それどころか,事前の説明と異なる額の報酬を請求されたという理由で,BさんはA弁護士に対する懲戒請求を行いました。

(解説)

依頼者との間の金銭トラブルも代表的な懲戒事由の一つです。

とはいえ,依頼者との間での金銭の貸借等は,弁護士職務基本規程25条でも特別の事情がない限り禁止されているため,紛争の類型としては決して多くはありません。

やはり,依頼者との間での金銭トラブルの代表格は,弁護士費用の報酬関係でのものになります。

本来,弁護士報酬に関しては委任契約書によって事前に取り決めておくものですが,ケースによっては委任契約書を作成する前に事件対応に着手することで,問題が表面化することもあります。

また,契約書で報酬に関する取り決めがあったとしても,事例におけるBさんのように,事前の説明がなかったという主張がされることもあります。

契約書にのっとって報酬額を請求する場合も,弁護対応の結果として高額になってしまうこともあるため,報酬関係でこじれてしまい,依頼者から懲戒請求がされる可能性は,弁護士として活動する以上,常にあり得ます。

弁護士報酬関係でのトラブルは,言った言わないの水掛け論になってしまいがちです。

また,弁護士自身が紛争当事者になってしまうため,冷静に交渉を進めることも困難です。

加えて,懲戒請求の問題が落ち着くまで,本来請求できる報酬がいつまでも得られないという問題も軽視できません。

それゆえ,報酬関係で依頼者から懲戒請求がされた場合は,速やかに懲戒救済弁護士に依頼を行うことが重要です。

懲戒手続において適切な弁護対応を行うことももちろんですが,懲戒救済弁護士が第三者的に間に入ることで,弁護士と依頼者が直接交渉する以上に,解決が図られやすくなるというメリットがあります。

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