守秘義務関連

(事例)

A弁護士はBさんから債務整理に関する相談を受けて代理人として着任しました。

しかし,業務の遂行に関してBさんからの注文や急な方針変更の希望が重なったことにより,信頼関係のこじれから途中で委任が終了しました。

A弁護士は,依頼を受けている間にBさんから受けた指示や要求について,自分の知人に話しました。

すると,回りまわってその話はBさんの耳にも届き,Bさんは守秘義務違反を理由にA弁護士に対する懲戒請求を行いました。

(解説)

弁護士は国家資格に基づく法律の専門家として,法律業務を行えるという特別な立場にあります。

それゆえ,多くの市民が弁護士に対して相談を行い,訴訟をはじめとして様々な法律業務を依頼します。弁護士に相談・依頼する内容は当然デリケートな個人情報にあたるため,市民が安心して弁護士に相談・依頼ができるように,弁護士法23条は弁護士に対し,「職務上知り得た秘密」を保持する「義務を負う」と定めています。

弁護士職務基本規程23条も,弁護士に対して「正当な理由なく,依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし,又は利用してはならない」と,いわゆる守秘義務について定めています。

先ほども触れたとおり,守秘義務は法曹という弁護士の特殊な立場に基づいて課せられるものであるため,依頼者等の個人情報の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。

しかし,それでも事例のようにどこかで守秘義務違反が起きてしまう可能性がないとはいえません。

守秘義務違反については,事件処理関係でのトラブルや依頼者絡みの発言と異なり,弁護士側に明確な非が認められやすい傾向にあります。

しかし,懲戒請求がされたからといって諦めてしまうのではなく,懲戒処分の軽減を図るうえでも,懲戒救済弁護士に対する依頼を行うべきといえます。

懲戒手続における適切な弁護対応のほか,懲戒請求者との交渉の面でも,経験と実績が豊富な懲戒救済弁護士に依頼することで,事態の解決につながることがあります。

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