懲戒処分の種類

1 懲戒処分の種類

弁護士法第57条1項は、弁護士に対する懲戒処分として①戒告②2年以内の業務停止③退会命令④除名の4種類を定めています。

また、同法2項で、弁護士法人に対する懲戒処分として①戒告②2年以内の弁護士法人の業務の停止又はその法律事務所の業務の停止③退会命令④除名の4種類を定めています。

2 戒告

戒告とは、対象弁護士(若しくは弁護士法人)に対して、再び過ちのないよう戒める懲戒処分であり、懲戒の中では最も軽いものになっています。

戒告を受けたとしても、弁護士の資格や活動に制限はありませんが、3年間は日弁連の会長選挙の被選挙権を失うことになっています。

戒告の処分を受けると、官報と機関誌(『自由と正義』)に掲載されることとなっています。ただし、裁判所・検察庁への通知は行われません。

3 業務停止

業務停止は、一定の期間内に弁護士としての業務を行うことを禁止するものです。弁護士資格そのものや、弁護士たる身分を失うわけではありませんが、期間内は一時的に資格が停止されているという扱いになります。

そのため、業務停止期間中に弁護士業務を行うと、そのこと自体も懲戒事由となりますし、弁護士として訴訟行為をした場合には、その行為の有効性に問題が生じてしまいます。

業務停止期間中に、弁護士がどのような活動をすることができなくなるかの基準については、「被懲戒弁護士の業務停止期間中における業務規制等について弁護士会及び日本弁護士連合会の取るべき措置に関する基準」があり、①委任契約の即時解除や②復代理人の選任禁止③法律事務所の使用の禁止④弁護士名の名刺の使用の禁止⑤貴庁・身分証の返還などが定められています。

4 退会命令

退会命令は、対象弁護士を所属弁護士会から一方的に退会させる処分です。この処分の考量が生じると、所属弁護士会を退会したことになりますので、弁護士たる身分を失います。

そのため、当然弁護士・法律事務所を標榜することも許されなくなりますし、弁護士名の名刺の使用も禁止されます。また、記章や身分証明証も返還しなければなりません。

退会命令が確定すると、弁護士名簿の登録が取り消されます。また、この処分は公告されるだけでなく、裁判所・検察庁にも通知されます。

ただ、退会命令は、弁護士たる身分を失わせるだけであって、弁護士となる資格を喪失させるわけではありませんから、別の単位会に登録の請求をすることは可能です。

ただし、その請求を受けた弁護士会が、前に退会命令を受けていることを理由として、日弁連への進達と拒否し、弁護士となれない可能性もあります。

5 除名

除名も、弁護士たる身分を一方的に奪うもので、懲戒処分の中で最も重いものとなっています。

退会命令との違いは、除名となった場合、3年間弁護士となる資格を失うところにあります(弁護士法7条3号)。

そのため、除名から3年間は、再登録の請求をすることはできません。

その他、弁護士の標榜の禁止等については、退会命令と同じ効果が生じます。

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