綱紀委員会④

1 綱紀委員会の議決

 綱紀委員会は、調査が終了をすると議決を行います。
 この議決については、部会が編成されている単位会では、部会内で議決を行い、それを委員会全体の議決とすることが認められています。
 そして、綱紀委員会の議決には以下の3種類があります。
⑴懲戒委員会に事案の審査を求めることが相当である
 調査の結果、懲戒事由の存在が一応認定された場合に、事案を懲戒委員会に審査させる旨の議決を行います。
 この議決を受けた弁護士会は、議決内容に拘束されますので必ず事案を懲戒委員会に付さなければなりません。
⑵懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする
 結論として懲戒委員会に事案の審査を求めない場合には、このような議決がなされます。
 ただ、事案を懲戒委員会の審査に付さないとしても①そもそも懲戒事由が存在しない場合②懲戒事由に該当し得る事実は存在するが、事案の軽重等を判断して懲戒すべきでないことが明らかである場合③懲戒審査が不適法な場合など、様々な場合が存在します。
⑶対象弁護士の死亡、資格喪失等による終了
 対象弁護士が生存し、事案が付されている単位会に所属していることは当然の前提となります。
 そのため、調査の途中に対象弁護士が無くなった場合や、別の理由により弁護士資格を喪失したような場合には、調査を継続することができません。
 当然調査継続ができないということになるのですが、手続きの終了を明確にするため、このような議決がなされます。

2 議決後

 議決がなされると、この議決に弁護士会は拘束されます。
 綱紀委員会の議決は、常議員会や総会によっても変更することができません。
 ですので、懲戒委員会に事案の審査を求めるのが相当であるとの結論がなされた場合には、弁護士会は必ず事案を懲戒委員会に付さなければなりませんし、反対に懲戒委員会に事案の審査を求めないという結論が出された場合には、事案を懲戒委員会に付すことはできず、懲戒しない旨の結論を出さなければなりません。

3 不服申立て

 事案を懲戒委員会に付する議決に対しては、対象弁護士は不服申し立てを行うことはできません。不服の内容は懲戒委員会で主張すべきであると考えられるからです。
 反対に、事案を懲戒委員会に付さないという議決については、懲戒請求者は日弁連の綱紀委員会に不服申し立てを行うことができます。

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