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1 懲戒委員会の委員
懲戒委員会の委員の定数は4名以上であることは定められていますが、それ以上に何人選任するかについては会則で委ねることとされています(弁護士法66条)。
また、懲戒委員会の委員は弁護士、裁判官、検察官及び学識経験者の中から弁護士会の会長が委嘱するとされています。このうち裁判官・検察官については出身母体である裁判所・検察庁の長の推薦に基づき、弁護士委員については弁護士会の総会で決定することが定められています(弁護士法66条の2第1、2項)。学識経験者については特に定めがありませんが、多くの場合は近隣の大学の法学部の教授などが選ばれているようです。
委員の任期は2年とされており、懲戒委員会の職務を行うにあたっては、委員は法令により公務を従事する職員とみなされています(3、4項)。
2 予備委員
懲戒委員会の委員は、その選任方法が法定されており、弁護委員については総会を開く必要があるなど大掛かりであることから、委員が欠けた場合にすぐに補充することができません。
そのため、委員については予め予備委員を選任することとされています(弁護士法66条の4)。そして、たとえば裁判官出身の委員が除斥、忌避等で欠けることになった場合には、同じく裁判官出身の予備委員が代理してその職務を行うということなっています。
3 懲戒委員会の運営
懲戒委員会の委員長は、委員の互選により決定することとされていますので(弁護士法第66条の3)、どの出身母体の委員が委員長になると決まっているわけではありません。
先述の通り、委員の職務は公務とみなされることになっていますので、懲戒委員会の委員が作成する文書については公文書となりますし、超過委員会の委員の職務を妨害した場合には公務執行妨害罪が成立します。
懲戒委員会の定足数について法律上の定めはありませんが、半数以上の出席が必要であると会則で定められている例があります。ただし、この半数の中に、法律上定められている裁判官・検察官・弁護士・学識経験者の4種類の委員が必ず存在しなければならないかについては見解が定まっていません。検察官委員が欠席であったとしても、裁判官委員や学識経験者委員が出席していれば、懲戒委員会の外部性は担保されているとも言えますし、外部委員が1名しかいない場合に、その1名が出席しなければ議事が滞るというのでは問題が多いですから、必ずしも4種類の委員すべてがいなければならないとまでは考えられていないようです。