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1 法律違反
懲戒事由の1つ目は、「この法律・・・に違反し」たことです。
この法律は「弁護士法」を指していますので、ほかの法律違反した場合には
「品位を失うべき非行」というところが問題となります(例えば飲酒運転など)。
なお、弁護士法の中には罰則が定められているものがあります。
これらの違反の場合には刑事罰を受けることになる場合がありますが、刑事罰を受けたからと言って懲戒が免除されるという物ではありません。
2 弁護士法違反の代表例
弁護士法中、弁護士の義務を定めた項目は主に第4章(20条~30条)や第73条です。
具体的には
・二重事務所の禁止(弁護士法第20条)
・守秘義務違反(弁護士法第23条)
・利益相反事件(弁護士法第25条)
・非弁提携の禁止(弁護士法27条)
・係争権利の譲受の禁止(弁護士法第28条)
・依頼不承諾の通知(弁護士法第29条)
・譲受権利の実行の禁止(弁護士法第73条)
などが問題となります。
3 弁護士法違反で懲戒される場合
しかし、以前にも説明した通り、この「法律違反」という要件は、「品位を失う非行」の例示的な列挙であると考えられていますから、法律に違反しているからといって直ちに懲戒されるというわけではありません。
具体的な事案の内容や、その後の対応などを考慮し、当該法律違反が実質的に懲戒をするに値するほどのものであるかどうかが検討されると考えられます