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【弁護士が解説】税理士が受ける行政処分とは?

税理士が行政処分を受けるのは、税理士法や関係法令に違反し、税理士としての信用・職責を損なう行為があった場合です。
以下では、処分の種類を整理したうえで、具体的な事例に即して解説します。
税理士に対する行政処分の種類(税理士法44条)
税理士法に基づく行政処分には、主に次の3種類があります。
・戒告
・2年以内の税理士業務の停止
・税理士業務の禁止
これらのうち、どの処分となるのかは違反の内容・悪質性・影響の大きさ・再発防止の可能性などを総合的に考慮して決定されます。
しかし、税理士法は、特に問題となるようなケースについて、あらかじめ処分の内容を定めています。
具体的な事例別の解説
① 無資格者への名義貸し【重い処分】
事例
税理士が、自分の名義を使わせて、無資格者に申告書作成や税務相談をさせていた。
問題点
税理士法では、税理士資格のない者が税務代理・税務書類作成・税務相談を行うことは禁止されています。
名義貸しは、制度の根幹を揺るがす重大な違反です。
何も自分で処理せず、すべてを事務員に処理させていたような場合でも名義貸しに該当する可能性がありますので注意してください。
② 脱税相談等をした場合の懲戒(45条)
事例
顧問先の要請に応じて、架空経費の計上や売上除外を知りながら申告書を作成した。
税理士が、故意に真正の事実に反して税務書類を作成した時は、2年以内の税理士業務の停止または税理士業務の禁止とすることができるとされています。
税理士として故意に脱税をしたような場合には、さすがに戒告処分では済まず、業務停止以上の処分となる可能性が高いことを表しています。
なお、法文では処分することが「できる」となっており、処分をしない場合もあることを前提としています。ただ、故意の脱税は相当重い行為ですから、処分を覚悟しなければなりません。
顧問先などから、適切な処理とは異なる処理を依頼される可能性もあります。不適法だと知りながら、断り切れずに処理してしまった場合でも、故意にやったことには変わりはありませんから注意が必要です。
③ 守秘義務違反
事例
顧問先の財務状況や申告内容を、第三者や他の顧客に漏らした。
問題点
税理士法には厳格な守秘義務規定がある
故意・過失を問わず、漏えい自体が問題となります。
内輪の場面であっても注意をしましょう。
④ 税理士会の指示・義務違反【比較的軽いが繰り返すと重くなる】
事例
研修受講義務を正当な理由なく長期間怠る
税理士会の調査や報告要請に応じない
問題点
税理士は公的資格者として、会の統制下にある
協調義務違反は職業倫理上の問題となり、戒告処分を受ける可能性もあります。
行政処分が与える影響
官報等で処分内容が公表される
顧問先・金融機関からの信用失墜
業務停止中は一切の税理士業務が不可
登録取消しの場合、再登録は極めて困難
などといった、様々な問題が生じます。
まずは、このようなトラブルが生じないように業務を行いましょう。
仮に問題になった場合には、処分の軽減を図れるよう、弁護士にご相談ください。
