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利益相反とは

2025-07-15

利益相反とは

 利益相反とは、弁護士職務基本規程第27条などで禁止されている、弁護士が受任を禁じられている状況を指します。

弁護士は、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第3号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

  1. 相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
  2. 相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
  3. 受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
  4. 公務員として職務上取り扱った事件
  5. 仲裁、調停、和解斡旋その他の裁判外紛争解決手続機関の手続実施者として取り扱った事件

このような事件は、弁護士として受任をすることができません。

利益相反が禁止される理由

  1. 公正な業務の遂行のため
    弁護士が一方の利益に偏ると、法的判断や主張が歪められる可能性があります。
  2. 依頼者の信頼保持
    弁護士には高度な守秘義務と忠実義務があります。利益相反はこれに反する行為です。
  3. 訴訟・交渉の適正性確保
    利害が対立する両者を代理するのは、訴訟制度の根幹を揺るがしかねません。

具体例

 それでは、具体的にどのような場合で問題となるのでしょうか。

 たとえば、夫婦のうち夫から離婚についての相談を受けたあと、妻の代理人になるということは、典型的な利益相反です。しかし、さすがに弁護士がこのような事件を受任することは、よほどのことがない限りないものといえます。

 それでは次の例はどうでしょうか。

 X弁護士は、長い間A社と取引があり、その代表であるBとも懇意にしていた。A社の社内法務についての相談もたびたび受けており、それについて回答をしていた。あるとき、A社の中で代替わりがあり、Bは半ば追い出されるような形になってしまった。そこで、XはBを代理してA社を相手に株主総会決議取消の訴えを提起した。

 Xの目線から見れば、長年付き合いがあるのはB個人であるように思われます。しかし、その実質はA社のために行うものであり、法律上はA社に対して助言を行っているということになります。ですので、事後そのA社を訴えるようなことは、利益相反に該当する可能性があります。

 このように、弁護士でもよく気を付けておかなければ問題となる可能性があります。

 利益相反に該当しないかどうかのチェックを十分に行う必要があります。

守秘義務違反について

2025-07-08

■ 弁護士の守秘義務とは

弁護士は、業務上知り得た秘密を守る義務(守秘義務)を負っています。これは弁護士法第23条および弁護士職務基本規程第23条に基づくもので、依頼者との信頼関係を基礎とした職業倫理の根幹です。


■ 守秘義務違反の懲戒処分の種類

守秘義務違反をした場合、以下のような懲戒処分を受ける可能性があります。

退会命令や除名の処分に至るケースはほとんどないものと思われます。

  1. 戒告:最も軽い処分。
  2. 業務停止:一定期間(1か月~2年)弁護士業務を停止。

■ 綱紀・懲戒委員会が重視する点

守秘義務違反に対して、以下の要素が処分の重さに影響します。たとえば以下のように考えられます。

重視される要素内容
漏洩した情報の内容プライバシーや名誉に関わる重要情報かどうか
漏洩の態様故意か過失か、継続的か単発か
漏洩の相手第三者か、利害関係者か
被害の有無・程度実害があったか、社会的信用が損なわれたか
再発防止措置や反省の有無自主的な謝罪や再発防止策が取られているか

■ まとめ

弁護士の守秘義務違反は、単なるミスではなく、職業倫理に対する重大な違反とされます。実際の懲戒事例では、故意性や被害の有無、情報の重要性などが処分の重さを左右しており、最悪の場合は

預り金規程の改正について

2025-07-01

昨今、弁護士による金銭の横領事案のニュースが相次いでいます。

預り金の横領は、それ自体当然業務上横領罪となりますので、刑事事件となります。

弁護士会では、このような横領行為を未然に防ぐため、弁護士の預り金に対する監督を強化しています。

この一環で出来上がった規定が、「預り金等の取扱いに関する規程」です。

この規定は2013年に制定され、その後2017年に改正されました。

そして、2025年6月の定時総会で再び改正されることとなりました。

①自己名義の預り金口座の開設義務

 原則として、自己名義の預り金口座を開設する義務が明記されました。

 基本的にはこれまでも当然と考えられていたことを明示したのみですが、反対に弁護士法人や共同事務所の場合についての例外規定が設けられることとなりました。

 また、他人名義の口座を自己の預り口として利用する場合には、名義人と連名で届出をする必要があります。

②弁護会による照会の発動端緒等の改正

 弁護士会による預り金口の調査を開始する端緒として、預り金に関する苦情が1回でもあった場合には、調査をできることとしています。

 これまでは、3か月で3回あった場合に限定されていましたが、1回あっただけでも調査の対象となります。

③通帳の写しや原本の提示義務

 これまでは通帳については写しを提示すればよいものと考える余地がありました。

 しかし、これを厳格化し、原本を提示する義務を明示しています。

④公表制度の新設

 懲戒に至る前に、預り金口の照会について回答しない場合や、通帳原本を提示しないような場合に、弁護士会が公表できる措置が新設されました。

 懲戒前ですが、対象弁護士に弁明の機会が付与されたのということで、公表されています。

【弁護士が解説】歯科医師の免許取消がなされている事例はどのようなものか

2025-06-24

 歯科医師の免許の取消しは、厚生労働大臣が行うこととなっています。

 しかし、実際には医道審議会医道分科会が答申を行い、それに従って歯科医師に対する処分がなされています。

 そこで、ここ数回の免許取消事例を見てみましょう。日付は分科会の開催日です。

2025年3月19日

・詐欺、歯科医師法違反

 上にリンクを貼っている厚生労働省のホームページ上で公開されている歯科医師に対する免許取消は、この1件だけです。

 医道分科会では同じように医師に対する処分も答申されていますが、医師についてはこの間多数の免許取消の答申が行われています。

 なぜ医師の方が処分が多いのかは判然としませんが、いずれにしても歯科医師に対する免許取消は極めてまれなようです。

 ところで、歯科医師法7条の免許取消事由は、「歯科医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は歯科医師としての品位を損するような行為があつたときは」となっています。しかし、上で見たように、実際に免許を取り消されている事件は、刑事事件に関係しているものになっています。そのため、単に「品位を損する」というような理由で歯科医師免許が取り消されることはないと考えられます。

 また、罪名だけでは事案は判然としませんが、業法違反が免許取消となっています(ただし、診療報酬不正請求事案でも免許停止に留まる事案もあります)。ここからも分かるように、過失運転致傷(交通事故)や道路交通法違反(酒気帯び。ただしひき逃げは重く見られています)の事案では、免許の取消しまでは至らないものと考えられます。

 しかし、刑事事件の処分だけで量定をしているわけではなく、被害者がいるような事件では被害者との示談が成立しているか、家族の監督が期待できるかなども考慮要素になっているのではないかと考えられます。ですので、刑事事件を起こしてしまった場合には、将来の処分に備えるためにも、早期から対応をしておく必要があります。

【弁護士が解説】医師免許が取り消されるのはどのような場合か

2025-06-17

 医師の免許の取消しは、厚生労働大臣が行うこととなっています。

 しかし、実際には医道審議会医道分科会が答申を行い、それに従って医師に対する処分がなされています。

 そこで、ここ数回の免許取消事例を見てみましょう。日付は分科会の開催日です。

2025年3月19日

・詐欺、強制わいせつ

・児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、●●●青少年健全育成条例違反

2024年11月27日

・現住建造物等放火

・1.器物損壊、2.器物損壊、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反、3.公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関す条例違反、4.暴行、5.窃盗、6.詐欺

2024年7月24日

・児童福祉法違反

2023年11月22日

・非現住建造物等放火

 ここ数回で、医師免許の取消しとなった事案は、以上のような罪名が並べられています(「・」1つで1人分を表しています)。

 ところで、医師法7条の免許取消事由は、「医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為があつたときは」となっています。しかし、上で見たように、実際に免許を取り消されている事件は、全て何らかの刑事事件に関係しているものになっています。そのため、単に「品位を損する」というような理由で医師免許が取り消されることはないと考えられます。

 また、罪名だけでは事案は判然としませんが、法定刑が重いか、地位を利用したと思われるような事案については、重い処分となっています。ここからも分かるように、過失運転致傷(交通事故)や道路交通法違反(酒気帯び。ただしひき逃げは重く見られています)の事案では、免許の取消しまでは至らないものと考えられます。

 しかし、刑事事件の処分だけで量定をしているわけではなく、被害者がいるような事件では被害者との示談が成立しているか、家族の監督が期待できるかなども考慮要素になっているのではないかと考えられます。ですので、刑事事件を起こしてしまった場合には、将来の処分に備えるためにも、早期から対応をしておく必要があります。

【弁護士が解説】刑事事件の報道の仕組み

2025-06-10

【事例】

 医師であるAさんは、ある日痴漢をしたとのことで逮捕されました。

 その日の夜のニュースで、Aさんが逮捕されたということが報道されていました。

 どうして報道されるのでしょうか。

【解説】

 逮捕には、通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕と3種類あります。

 通常逮捕とは、逮捕状という令状を持って警察官が逮捕しに来る手続のことです。

 現行犯逮捕とは、事件が起きた正にその場で逮捕することです。

 緊急逮捕とは、一定の重い罪に限って、逮捕状がなく、現行犯でなくとも逮捕できる仕組みですが、緊急逮捕後に事後的に審査が行われます(現行犯逮捕の場合には勾留の手続きまで審査はありません)。

 このうち、現行犯逮捕であれば、一般の面前で逮捕されることもありますから、場合によっては人に逮捕されたことが知られる可能性もあります。ただし、その場で氏名を読み上げたりというようなことはありませんので、見ている人からすれば、何処の誰であるかということは必ずしもわかりません。

 これに対し、現行犯逮捕と緊急逮捕は警察官が行うもので、人目があるところでやるわけでもありませんから、隣の家の人に気付かれることはあったとしても、それほど多くの人に気付かれることはほとんどありません。

 では、なぜ報道機関はどこの誰が逮捕されたというようなニュースを流すことができるのでしょうか。

 それは、警察と各報道機関の間で、逮捕した事件等について情報を提供する仕組みになっているからです。よくニュースでは、どこの誰が、何の罪で逮捕され、どのような主張をしているのかが報道されています。特に認否などは、警察官しか知りようがない事実ですから、警察から情報が出ているということが分かるのではないかと思います。

 しかし、警察が報道機関に情報を流したとしても、どの事件を報道するかは各報道機関にゆだねられています。

 ただ、医師や弁護士、公務員といった職業や、芸能人等であれば、多くの場合報道されることになります。

 報道されそうな職種である場合には、予め警察署などに対して報道しないよう申し入れを行うことがありますので、弁護士に相談をしてみてください。

法律相談で誤った回答をしてしまうとどうなるのか

2025-06-03

【事例】

 ある公共の法律相談所で相談を担当していたA弁護士は、相談者からの相談に対して、誤った回答をしてしまったことに後から気が付きました。

 具体的には・・・

①遅延利息は現状は年3%であるにもかかわらず、従前の5%で答えてしまった

②時効が3年であるところを5年と答えてしまった

③即時抗告期限と控訴期限を誤って答えてしまった。

このような場合、どのように対応すればよいだろうか。

【解説】

 今回例に出した3つの間違いは、民法や民事訴訟法といった基本的な法律に関するものですから、それほど間違えないかもしれません。ただ、これがより専門的な分野になると、どうしても細かいところはあやふやになってきます。

 ①の場合、確かに金額の差は生じるところなのですが、余程元本が高額であるとか、遅延の期間が長いという場合ではない限り、それほど大きな差が出るとは考え難いところです。

 ②の場合、時効完成の直前の事件であれば大きな問題となるのですが、たとえば事故発生直後の交通事故の場合(この関係で、3年と5年がややこしくなるところです)であれば、そこまで大きな問題はありません。

 ③の場合、これは数日単位の問題です。特に即時抗告期限は極めて短い期間に設定されているため、控訴期限(2週間)との勘違いは命取りになり、上訴権を失うことになってしまいかねません。

 このように、誤った内容次第で相談者の利益を大きく害することになります。

 そしてもし誤りに気が付いた場合には、公共の相談所等であれば相談者の連絡先を控えていることがほとんどですので、まずは連絡を取り、相談者に対して誤りであった旨を伝えるべきです。

 また、誤りになる可能性があるようなところは、「正確なことは調べなければならないが」という留保をつけたり、より長い相談が可能な場所を案内するなどの対応をする必要があります。しかし、期限前日等の事件の場合には、速やかに手続きをとる旨伝える必要がありますので、どうしても限界があると言えます。

税理士の処分について

2025-05-27

1 税理士の登録

 税理士は、日本税理士連合会が備える税理士名簿に登録されなければ、税理として活動することができません(税理士法18条以下)。

2 税理士登録の拒否

 しかし税理士法24条に定める事由がある場合には、税理士登録をすることができないこととなっています。

一 懲戒処分により、弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、弁理士、司法書士、行政書士若しくは社会保険労務士の業務を停止された者又は不動産の鑑定評価に関する法律第五条に規定する鑑定評価等業務(第四十三条において「鑑定評価等業務」という。)を行うことを禁止された不動産鑑定士で、現にその処分を受けているもの
二 報酬のある公職(国会又は地方公共団体の議会の議員の職、非常勤の職その他財務省令で定める公職を除く。第四十三条において同じ。)に就いている者
三 不正に国税又は地方税の賦課又は徴収を免れ、若しくは免れようとし、又は免れさせ、若しくは免れさせようとした者で、その行為があつた日から二年を経過しないもの
四 不正に国税又は地方税の還付を受け、若しくは受けようとし、又は受けさせ、若しくは受けさせようとした者で、その行為があつた日から二年を経過しないもの
五 国税若しくは地方税又は会計に関する事務について刑罰法令に触れる行為をした者で、その行為があつた日から二年を経過しないもの
六 第四十八条第一項の規定により第四十四条第二号に掲げる処分を受けるべきであつたことについて決定を受けた者で、同項後段の規定により明らかにされた期間を経過しないもの
七 次のイ又はロのいずれかに該当し、税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者
イ 心身に故障があるとき。
ロ 第四条第三号から第十一号までのいずれかに該当していた者が当該各号に規定する日から当該各号に規定する年数を経過して登録の申請をしたとき。
八 税理士の信用又は品位を害するおそれがある者その他税理士の職責に照らし税理士としての適格性を欠く者

3 税理士登録の取消し

そして、7号イに該当する場合を除いて、先ほどの1~8号の事由に該当する場合には、登録が取り消されることとなっています。これは、懲戒処分とは別で、この事由に該当すれば必ず税理士登録が取り消されるというものです。

4 懲戒処分

 これに対し、税理士法45条、46条に該当する場合には懲戒処分がなされることになっています。

 懲戒処分の内容は戒告、2年以内の税理士業務の停止、税理士業務の禁止の3種類が予定されています。

 たとえば、故意に不正確な書類を作成した場合には、税理士業務の禁止又は2年以内の税理士業務の停止が予定されていますが、法文上は「処分をすることができる」となっているため、必ず処分をされるとは限らないこととなっています(実際の運用はこの通りとは限らず、故意の作成は重い処分がなされていると思われます)。この点が先ほどの登録取消しとの違いとなっています。

【弁護士が解説】ケアマネージャーが交通事故を起こすとその資格はどうなるか

2025-05-20

【事例】

 ケアマネージャーであるAさんは、ある日通勤途中、自動車で交通事故を起こしてしまいました。

 幸い被害者の方は全治2週間程度のけがではあったものの、警察の方からは事件を検察庁に送ると言われました。

 Aさんはどのような刑事罰を受け、それによってケアマネージャーの資格はどうなるのでしょうか。

【解説】

1 ケアマネージャー資格について

⑴欠格事由

 国家資格が何らかの制限(剥奪されたり、効力が一時停止したり)を受けることになる事由のことを「欠格事由」と呼んでいます。欠格事由は、資格を取得するときに問題となっていますが、同様の事由が生じた場合には資格を取消すということになっています。

 ケアマネージャーの資格は、介護保険法にその定めがあり、正式名称は「介護支援専門員」となっています。

 介護保険法69条の39第1号で「第六十九条の二第一項第一号から第三号までのいずれかに該当するに至った場合」には、都道府県知事は介護支援専門員の登録を消除(削除のことです)しなければならないとしています。

 そこで、69条の2第1号から3号を見ると、次のような記載があります。

一 心身の故障により介護支援専門員の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
三 この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者

 これがいわゆる欠格事由です。なお、これ以外にも介護保険法では定めがあります。

⑵刑事罰と国家資格

 さて、それは本題の刑事罰を受けた場合の資格について検討します。

 2号で「禁錮以上の刑」と定められています。刑事罰の重さは死刑>懲役>禁錮>罰金>拘留>科料と定められていますので、禁錮以上の刑は死刑・懲役刑・禁錮刑を指します。反対から言えば、罰金刑であればこの規定に該当しないことになります。つまり、交通事故によって罰金刑を受けた場合や当然ですが不起訴処分になった場合には、資格を取消されたりすることはないということになります。

 それでは禁錮刑を受け、その刑に執行猶予が付けられた場合はどうでしょうか。

 執行猶予とは、裁判が確定した後すぐに刑務所等に収容されるのではなく、執行猶予期間中無事に過ごせば収容されないという判決です。反面、執行猶予中に再び裁判を受けるようなことがあれば、基本的には刑務所に行かなければならない(もう一度執行猶予になることはほとんどない)という判決です。たとえば「禁錮1年執行猶予3年」という判決の場合、「もし3年間何もせずに過ごすことができれば、刑務所にはいかなく構いません。ただし、3年以内に再び裁判を受けるようなことがあれば、新しく犯した罪の刑罰に、追加して1年刑務所に入ってもらいます」という意味になります。

 話を戻すと、交通事故で人をけがさせた場合、余程重大な事情(前科があるとか、飲酒運転であるなど)がない限りは執行猶予がつくことがほとんどです。しかし、先ほどの欠格事由の条文には執行猶予を除外する規程はありませんから、仮に執行猶予がついたとしても資格は取り消されることになります。

 交通事故は誰でも起こしてしまう可能性があるものですが、一つ間違えると運転免許以外の資格さえ剥奪されてしまうものになります。これを回避するためには初動の対応が重要です。資格のことでご不安な方は、いち早く弁護士にご相談ください。

【弁護士が解説】直接面談せずに事件受任をしてよいか

2025-05-13

【事例】

 X弁護士は、Aから多重債務の処理に関する事件を受任しましたが、Aとは一切面談せず、面談は事務職員が行っていました。その後、実際に事件処理をする際には、債権者とはXが交渉しているものの、Aとのやり取りは全て事務職員が行っていました。

 このようなことは許されるのでしょうか。

【解説】

 弁護士職務基本規程22条は「弁護士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行うも
のとする。」と定めています。依頼者の意思を尊重するためには、当然依頼者の意思を確認しなければなりません。ただ、この方法には特に制限はなく、電話などでも問題はないと思われます。ただし、方法によって説明の必要性が異なってくる(対面が最も説明しやすいと思われます)と思われますので、どの程度説明すれば説明義務を果たしたことになるかについては異なると思われます。

 しかし、債務整理事件については、債務整理事件処理の規律を定める規定が別途定められています。この規定では、3条で「面談して、次に抱える事項を聴取しなければならない」として、直接面談をする義務を定めています。そして、この「面談」には、電話やメールなどは含まれません。

 今回の事件の場合、事務職員を介してAの意向を確認出来てはいますが、債務整理規程が直接の面談を定めているため、X弁護士の行為は会規違反となります。

 債務整理事件を受任する際には、上記規程の存在に十分注意してください。今回のようなケースの場合、業務停止の処分を受ける可能性があります。

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