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1 日弁連懲戒委員会の役割
単位会だけではなく、日弁連にも懲戒委員会が設置されています。
日弁連懲戒委員会の役割は以下の通りです。
- 単位会がした懲戒の処分に対して、審査請求があった場合の審査(弁護士法第59条第1項)
- 単位会懲戒委員会の審査に付された事案で、懲戒しない旨の決定があったか相当期間内に懲戒の手続がなされなかった場合で、弁護士法第64条第1項の規定に基づく異議の申出があった場合の調査
- 日弁連綱紀委員会が懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認める旨の議決があった場合の調査
このうち①については処分に対する「不服申立て」のページを、②については「棄却等があった場合について」のページをご覧ください。
2 日弁連懲戒委員会の手続
⑴手続きの開始
日弁連綱紀委員会が懲戒委員会へ事案の審査を求めることを相当とする議決をした場合には、日弁連は事案を懲戒委員会に付さなければなりません。
⑵審査の方法
日弁連の懲戒委員会でも、単位会の懲戒委員会と同様、審査期日が設定され、出席を求められた場合には対象弁護士は出席しなければなりません。
また、対象弁護士の手続保障のため、期日等の通知が対象弁護士になされる他、審査期日において証拠書類等の提出を行うことができます。
また、日弁連懲戒委員会では、原則として審査の請求を受けてから6か月以内に審査を遂げて議決を行うものとされています。
⑶議決の種類
日弁連懲戒委員会が行う議決も、単位会懲戒委員会の議決と同様です。
- 懲戒の処分を相当とする
- 懲戒しないことを相当とする
- 対象弁護士の死亡等により終了
のいずれかです。①の議決の場合には、除名・退会命令・業務停止・戒告の4つの中か、事案に応じて処分が選択されることになります。