【事例】
看護師であるAさんは、ある日出来心からついスーパーで万引きしてしまいました。
すぐに警備員に発見されたAは、その場で検挙されてしまい警察署に連れていかれました。
この時、Aさんにはどのようなことが起きるのでしょうか。
【解説】
Aさんが起こした「万引き」というのは、刑法では窃盗と呼ばれる罪に該当します。
そのため、窃盗罪として処分を受けることになりますが、最終的に処分を決めるのは「検察庁」です。一般的な万引きの場合、初犯や2回目までであれば、示談をすることで不起訴処分となることもありますが、3回目以降となると何らかの刑事罰を受ける可能性が高いと言えます。
次に、Aさんのような看護師は、多くの場合病院に勤務していると思われます。万引きをしたことにより、勤務先から何らかの処分を受ける可能性があります。この処分の内容は、勤務している場所が国公立の施設か、民間の施設であるかによって大きく異なります。国公立の施設である場合、懲戒処分という形で戒告・減給・停職・免職というような処分を受けます。民間の施設の場合も、解雇や出勤停止、減給といった処分を受ける可能性があります。
最後に、Aさんの看護師免許です。看護師免許については、
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
三 心身の障害により保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
が欠格事由として定められており、これらの事由に該当した場合には何らかの処分を受けることがあります。
窃盗罪により罰金以上の刑に処せられると、1号に基づき、戒告、業務停止、免許の取消し等の処分の可能性があります。反対に、不起訴処分であれば通常このような処分はありません。
このように、万引きをしてしまうと看護師であるAさんには様々な不利益が生じてしまいます。もし事件を起こしてしまった場合には、早めに弁護士に相談し、問題を拡大しないようにしましょう。